わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

高橋たか子『墓の話』読了

 第五話「メラニーという女」読了。これはドキュメンタリーというか、事実をもとにした小説らしい。ファティマ第三の予言より前にあたり19世紀末に、メラニーという当時十四歳の少女が光に包まれた聖母マリアと会い、当時のフランスの腐敗に対する警告を受けたという。彼女はその後、神秘家(的な修道女)として放浪の一生を送る。そんな話を主人公は偶然フランスで知り、いつかメラニーの墓へ行ってみたい、と彼女が願うところで作品は終わる。
 墓に対する作者の思いは、日記の中で触れたので省略。そしてこれが、この作品のすべてだ。すべての死には物語がある。だからすべての墓には物語がある。