猫背の列

　いつも通り七時に起床したが、今日、明日は急ぎの仕事がないのでオフにした。夏休みを取っていなかったので（それどころか土日も頻繁に働いていたのだが）、久々の休暇というわけだ。
　十一時三十分、上野へ。秋の陽に黄葉が柔らかに照り返す上野公園、ジジババでごったがえしている。みんな美術館に遊びに来ているのだろう。ぼくもそのひとりだ。ジジババ予備軍だ。遠足だか写生会だか、先生に連れられ集団で来ている子どもを何組も見かけた。近ごろよく目にするイジメの記事が、彼らの屈託ない笑顔に重なる。
　ダリ展、あわよくば見ようと思ったが、あいかわらずの混雑ぶりで断念。無料招待券をいただいていた「仏像特別展　一木にこめられた祈り」も、先日テレビで紹介されたようで、より年齢層の高いジジババが猫背になってぞろぞろと並んでいる。三十分待ちというアナウンスにくじけそうになったが無料券を無駄にしたくなかったので、猫背の列に加わり「週刊モーニング」を読みながら入場できるのを待った。十二時ごろ、ようやく入場。内容には、ちょっと不満だった。三十分も経たぬうちに退場してしまった。詳細後述。
　非常にくやしい気持になった。もっとおもしろいもの、感動できるものを見たいと強く思い、気になっていた「ベルギー王立美術館展」を、正規の入場料を払って見ることにする。こちらは感激。詳細後述。
　十四時過ぎ、荻窪着。「洋食亭ブラームス」でハヤシライスとボージョレのグラス。ボージョレは今日は解禁日。梅酢を飲んでいるような気分になった。
　買い物を済ませ、十五時三十分ごろ帰宅。夕方から夜にかけてはのんびりと過ごしたかったが、花子がフニャフニャと騒ぐので落ち着けず。日記を書く今になって、ようやく眠ってくれた。
　今日聴いたのは、こんなところ。やっぱりJapanはええですな。Bang your tin drum!

Carnegie Hall Concert

The Very Best of