わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

睡魔は伝染る

 連日、目覚しをセットした時間と実際に起き上がる時間にタイムラグが生じている。今朝は二十分近く布団の上で朦朧としていた計算になるが、なぜそこまで眠いのか。自覚症状はない。春眠暁を覚えずというが、寒の戻りがつづくここ数日に春眠などという単語の心地よい語感は似つかわしくない。むしろ、寒さに身を縮ませ布団から抜け出せずにいる貧乏学生のような、どこか追いつめられたような感覚のほうが空模様との相性はよい。とはいえ、実際には布団の中にいるのではなく、上体を起こし、下半身だけ中途半端に布団にもぐらせた状態で、おそらくは猫背になってうつむき加減に目を閉じている。意識が戻り、ああ起きなければと思い猫背をしゃんと伸ばすと、必ず傍らに花子がいる。アンモナイトのように身体をくるりと丸めてしずかに吐息を立てている。そうか、と思う。コイツの睡魔が伝染したのだ。七時十五分起床。
 某生命保険会社パンフレット、某インテリアメーカーマニュアルなど。
 ここ何日か(そういえば、朝の睡魔に負けつづけているのもここ数日の話だが、因果関係はあるのだろうか)、十九時過ぎから三十分ほど、日の暮れた西荻窪を散歩している。駅から家路を急ぐのは大半が若い女性だ。くたびれたような、思い詰めたような表情はそこにはない。ただ、みなが足早に、荷物を抱え込むようにしながら呑気に歩き回るぼくの横を通りすぎてゆく。その姿が夕の闇に溶け込むことはない。

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