2007-07-18 古井由吉『槿』 読書日記 結局、杉尾はまた井手と寝てしまう。 そして、萱島との二十数年前の思い出が、すこしずつよみがえってくる。 この、思い出の部分の曖昧さこそが、本作の中心なのかもしれない。(作中の)真実を小出しにする技法は、ミステリーに通じるものがあるような。