好きでもない相手に、言っていることがよくわからんし面倒くさいし相手してられん、別れよう、と言われる主人公。別れることに対しては呆れるほどドライ。しかし、その後に「書く」ことによって内面を見つめ直すと……骨の髄までサミシイ奴だ。もっとも、「書く」とは孤独な行為だ。大量の言葉を吐き出し続けているというのに、目の前にはそれを伝えるべき相手が存在しない(場合のほうが圧倒的に多い)のだから。
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1974
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