不安定な自分という存在から見た世界は、何もかもが、時間の流れまでもが曖昧で、たちまち現実と幻想の区別がつかなくなる。しかし、幻想の世界のほうにだけ愛が満ちていることもある……幻想が自己憐憫から生まれたものだとすれば、幻想の世界の愛はナルシシズムに過ぎない。そこにばかり目を向けている限り、世界は何も変わらないだろう。だから主人公は、マイクロバスに乗って国道を走り続けるのだ。
手法にばかり気を取られる、そんな読書でした。内容、よくわからん。そう思いながら書きはじめたら、意外や意外、自分なりに読み解いたテーマのようなものが見えてきた。