わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

小野正嗣「マイクロバス」読了

 不安定な自分という存在から見た世界は、何もかもが、時間の流れまでもが曖昧で、たちまち現実と幻想の区別がつかなくなる。しかし、幻想の世界のほうにだけ愛が満ちていることもある……幻想が自己憐憫から生まれたものだとすれば、幻想の世界の愛はナルシシズムに過ぎない。そこにばかり目を向けている限り、世界は何も変わらないだろう。だから主人公は、マイクロバスに乗って国道を走り続けるのだ。
 手法にばかり気を取られる、そんな読書でした。内容、よくわからん。そう思いながら書きはじめたら、意外や意外、自分なりに読み解いたテーマのようなものが見えてきた。