「白衣」。ホラーの色が強い。というか、ホラーそのもの。高橋葉介あたりを思い出す。高橋は必ずニンゲンのドロドロで粘り着いた欲の醜さを血や内臓に重ね心理描写として描いているが、小川の場合は、フェティッシュに物質化されており、それによって小説の多義性をうまく引き出そうとしているように思える。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/03
- メディア: 文庫
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「白衣」。ホラーの色が強い。というか、ホラーそのもの。高橋葉介あたりを思い出す。高橋は必ずニンゲンのドロドロで粘り着いた欲の醜さを血や内臓に重ね心理描写として描いているが、小川の場合は、フェティッシュに物質化されており、それによって小説の多義性をうまく引き出そうとしているように思える。