わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『始まりの言葉』読了

 常に仮名から漢字へと変換しながら言語を操る日本人にとって、言語のもつ意味の解体は、危ういほど近くにある。
 古井さんの近年の作品では、言葉の意味が、というよりも、生命そのものが、解体されかかっている。解体され、あの世とこの世の境界線も曖昧なままに、生きる。あるいは、死を見つめる。それを、描く。その描くという行為の中には、意味の解体という危うさも含まれているのかもしれない。

始まりの言葉 (双書時代のカルテ)

始まりの言葉 (双書時代のカルテ)

白暗淵 しろわだ

白暗淵 しろわだ

野川

野川