「すばる」二月号掲載のエッセイ。読むそばから忘れる、という、多少の謙遜や誇張もあるのだろうけれど、まあ極めてフツーな読書。だがその話が戦後まもないころの話や現在の作家生活の中での読書体験に至ると、たちまち読むという行為が重くなる。タイトルどおり、まさに「魂」にかかわるような読み。ラスト部分、引用。
古人たちの信じたように魂というものが人の内にあるものなら、仮にも本に読みふけるということは、本の内へ惹き込まれて身から離れた魂を、おそらく遠くまでさまよい出た魂を、呼びもどす、これも招魂のいとなみなのではないか。
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