わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

便所のスリッパ

 重装備のスポーツは嫌いだ。そう言っていた高校時代の同級生と、雪山にいる。登山ではない。スキーだ。ぼくらはリフトに乗って山頂を目指す。そこから一気に下まで滑り、もう一度昇り、また降り、と繰り返すつもりでいた。空は雪雲に覆われて薄暗く、リフトは吹き付ける雪嵐に、座面までキンと冷やされていた。リフトをいくつか乗り継ぐうちに、いつの間にそうなったのか、ぼくはひとりになっている。友人が消えた。重装備がイヤで、逃げ出したのか。仕方ない。滑りながら探そう。そう思うのだが、ぼくはなぜか、リフトから降りることができない。横殴りに降る冷たい雪を頬に受けながら昇り、終点で降りようとするのだが、降りられない。そのまま降り、始点まで行ってしまう。もちろん降りずにまた昇ればいいのだが、ぼくはどういうわけか、そこで降りてしまう。そして、気づいた。ぼくはスキーを履いていなかった。スキーブーツすら、履いていなかった。重装備は嫌いだと言っていた友人が、知らぬ間にぼくの足元から板と靴とを奪っていったのか。かわりにぼくが履いていたのは、ビニール製の便所のスリッパだった。ぼくはスリッパで、コブだらけの雪面をウェーデルンで降りてゆく。時折スリッパが脱げそうになるが、とりあえずなんとかなっている。
 という夢を見た。六時起床。
 終日仕事。某飲食チェーン企画。新規の引き合いが何件か。休みが終わり、世間が動き出している。
 夢が気になったので、スキーに入れ込んでいた(意外でしょ)学生時代に履いていたメーカー「カザマ」を検索してみたら、倒産してた…。ブランド名だけ量販店の「アルペン」が買い取った模様。スキーブーツは、スロベニアの英雄ボーヤン・クリジャイが愛用していた「サンマルコ」を履いていたのだが、こちらはHEADに買収され、ブランド名は消失。仲の良かった先輩が履いていたメーカー「ニシザワ」も、やはり倒産。こちらはハリマヤが買ったらしい。ショックだ。