わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『夜明けの家』

「百鬼」。幼いころの、百鬼夜行の噂。そして偶然見かけた闇米の運び屋の姿の記憶。運ぶ男たちの姿が百鬼のようだった、とは書かれてはいない。むしろ、後ろめたさや虚しさの裏側に隠した男の優しさ、生死を通り越したところにある普遍的な、誰もがわかっているが証明はしにくい感情の共有意識、一種のテレパシーのようなものが、行間からわずかに感じられる。

夜明けの家 (講談社文芸文庫)

夜明けの家 (講談社文芸文庫)

白暗淵 しろわだ

白暗淵 しろわだ