わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

高橋源一郎「日本文学盛衰史 戦後文学篇」第七回 twitter上にて・続

「群像」四月号掲載。またまたtwitter形式。今回は小林秀雄大岡昇平(になりすました何者か、あるいは本人たちの死後の魂)がつぶやき、会話をしている。中也も乱入。小林や大岡の思想、信念がtwitterを通じて現代という時代に通用するのかどうか、がとても気になるが、読んでいるうちに、そんなことなどどーでもいいや、というふうになってくる。これがtwitterの効果なのだろうか。ぼくもtwitterのアカウントはもっているのだが、最近はほとんどつぶやいていない。自分の呟きが、膨大な呟きの中にたちまち埋もれ、鮮度を失う。つぶやきのログは死屍累々とした言語の墓場というよりほかない。建設的な呟きですら、そうなのだ。ならば、何をつぶやくべきなのか。それとも、何も考えずにエンターテイメントとして楽しむべきなのか。多くの参加者が、そうなんだろうなあ。熱く交わされる議論すら、一種の遊びであると言えそう。
 そうか、twitterって、言語がもつ意味の継続性や連続性がブッ壊れちゃう媒体なんだ……。

群像 2010年 04月号 [雑誌]

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日本文学盛衰史 (講談社文庫)

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大人にはわからない日本文学史 (ことばのために)

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高橋源一郎の作品はこちら。『日本文学盛衰史』は、かなりの問題作です。
Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

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