「群像」7月号。限りなくエッセイに近い感じで、この春の天候の不順さ、あるいは異常さを、そして天候の異常さと部分的には重ね合わせるようにして、生と死にまつわる古代の哲学者の残した言葉の奇妙さについて、ただひたすらに、考えつづけ、書き連ねている。もう、なんだかよくわからないけど全体的にすごくて、といっても十年前の古井さんのように怒りの混じったすごさではなく、あの世に片足つっこんだようなすごさでもなく、ただただ、歳を取ったという事実をすんなりと受け入れ、そして先にある死を感じながら、死と、生について、ごくごく自然に考えをめぐらしている。もう、全文引用しちゃってもいいくらいすごい。
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