表題作。主人公は、子どものころはほとんど一緒に暮らしたことがなかった父を、母の他界を機に迎え入れることになる。足腰が弱り一人で立つことが難しくなった父は、夜を迎えるたびに、どこからともなく水の音が聞こえると主張しつづける…。
しっとりとした空気と静けさの中に響く水の音、それとは対称的に、情はありながらも妙に乾いたところのある主人公親子の関係。その対比。
![やすらい花 やすらい花](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51hjeEcetBL._SL160_.jpg)
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/03
- メディア: 単行本
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