わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『やすらい花』

 表題作。主人公は、子どものころはほとんど一緒に暮らしたことがなかった父を、母の他界を機に迎え入れることになる。足腰が弱り一人で立つことが難しくなった父は、夜を迎えるたびに、どこからともなく水の音が聞こえると主張しつづける…。
 しっとりとした空気と静けさの中に響く水の音、それとは対称的に、情はありながらも妙に乾いたところのある主人公親子の関係。その対比。

やすらい花

やすらい花

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