わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

酔う脳味噌

 六時起床。夜中のうちに雨が降るということは前日の予報で知っていた。眠っているうちに雨は降りはじめ、そして目覚めるころ、あるいは目覚めてまもなく止むであろうということもわかっていた。だから目覚めてもすぐに窓を開けて空模様を確認したりはせず、すぐに身支度やら猫の世話やらをはじめた。耳を澄ませば雨音が聞こえたかもしれない。あるいは雨音が聞こえてこないということから、雨が止みかけているか、あるいはすっかり止んでいるということを察することもできたかもしれない。だが、そんなことはしなかった。理由はない。雨を見ようとは思わなかっただけだ。むしろ意識は、今日の日中の空模様に向かっている。あれこれと毎朝必ず行うさまざまな事柄をこなしつつ、天気予報から天気予報へとテレビをザッピングしつづける。どのチャンネルも、おなじことを報じていた。今日は晴れる。だが気温は上がらない。
 仕事。今日締切の案件は朝一番で仕上げてしまった。逆に進めておかなければならないはずの案件が得意先の都合で一時停止中となってしまい、時間に余裕がありすぎるような状態。外は晴れているのだから、思い切って休む、ということもできそうだが、そんなことはせずに、やれることをどんどん進めておこうと、今日やらなくてもよいことを進めていると、某社のN課長から突然の電話。コピーの依頼だった。しかし尋常ではない。困っているので、助けてほしいという。お役に立ちたいので「喜んで」と返事をすると、これまでまったくかかわったことのない業界に属する、ぼくにはほとんど予備知識のない企業の、イメージコピーを書いてほしいという。キャッチフレーズと、それを説明する400文字程度のボディコピー。時間さえあればチャレンジできるのだが、急いでいるので三時間で仕上げてくれ、お客さんに選ばせたいからできれば2〜3案、と言ってきた。なんじゃそりゃ、と思ったが、時間に余裕があったので引き受けてしまった。最初は、さて何から手をつけどのように進めれば三時間で3本のコピーが書けるのか。とまどったが、ひとまずこんな書き出しかな、じゃあこんな言葉をつなげてみよう、と進めているうちに、自然と一本書けてしまい、さて次の案はどうしよう、と方向性も決めぬままに書き出しを一行、二行、と書いてみたら、あっという間に二本目も書けてしまい、その勢いで、三本目もすらりと書き上げてしまった。依頼を受けてから一時間。そのうち十五分は電話での打ち合わせ、十五分は資料の読み込みに使っているから、実質三十分、1案十分で書いた計算になる。驚いた。おそらく今回のクライアントの方向性が自分の脳味噌のなかにあるストックの一部にうまく重なったのだろう。ラッキーだった。ただし異様に集中していたようで、少々気持ち悪くなってしまった。脳味噌が予想以上に加速し、乗り物酔いを起こしていたに違いない。昼は長めに休んだ。午後、若干の修正依頼があったが、無事終了。もう一件、急ぎで修正してほしいという別の案件があったが、こちらも猛スピードで仕上げてしまった。自分は急ぐ必要を感じていない一日なのに、周囲はとにかく急ぎまくっている。妙な気分で業務終了。
 夜は、宇多田ちゃんのライブをちょっとだけネットで鑑賞。Jポップはほとんど聴かないし彼女の作品はテレビやラジオでしか知らないのだが、それでもちょっと興奮した。ちょうど、気に入っている「PASSION」を聴くことができたのもラッキー。仕事のことといい、今日はついていたのかもしれない。神様に感謝せねば。

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