イエス・ユダ同性愛説から反ホモ説へ、そしてイエス-ユダ-農民マリヤ三角関係説へ。太宰が『駈込み訴え』で高尚であるべき聖書の内容を泥臭い人間本来の感情にまでズリ下ろしたとすれば、この架空シンポジウムの三人は、パパラッチ的下世話話までさらにズリ下ろした。ははは。でも、文学にはそういう一面も強いですからね。
太宰作品は、聖書からの引用が実は多いという話に。ぼくは熱心な太宰読者ではないのだが(それでも『トカトントン』『富嶽百景』『女生徒』など好きな作品はいくつかある)、確かにその通りだと思う。この話題は最後の晩餐をユダの視点から描いた『駈込み訴え』へと広がり、そしてなんと、ユダ→イエス同性愛説が浮上。なるほどそんな読み方できなくもないけど、キリスト教信者が読んだら卒倒するか激怒するかだよ、と苦笑。
後藤明生の作品はこちら。Kindleでどんどん旧作が復刻されている。