わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

『金井美恵子自選短篇集 恋人たち/降誕祭の夜』

赤ちゃん教育」。80年代のアカデミズムかぶれクソガキ浪人男子の中絶譚。屁理屈こねやがって、と腹を立てながら読むわけだが、腹が立つほど屁理屈はよく練られているしリアリティもある。卓越した描写力のなせる技、ってことなんだろうなあ。

 おなじテーマを現代でやったらどうなるのだろう。若者の貧困とかシェア発想とかスマホとかSNSとか、そんな内容で固められるのだろうか。孕ませてしまった相手に屁理屈をこねようとするのをがまんして、という設定にはならないだろうなあ。

 

 

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