「赤ちゃん教育」。80年代のアカデミズムかぶれクソガキ浪人男子の中絶譚。屁理屈こねやがって、と腹を立てながら読むわけだが、腹が立つほど屁理屈はよく練られているしリアリティもある。卓越した描写力のなせる技、ってことなんだろうなあ。
おなじテーマを現代でやったらどうなるのだろう。若者の貧困とかシェア発想とかスマホとかSNSとか、そんな内容で固められるのだろうか。孕ませてしまった相手に屁理屈をこねようとするのをがまんして、という設定にはならないだろうなあ。
恋人たち/降誕祭の夜 金井美恵子自選短篇集 (講談社文芸文庫)
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砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集 (講談社文芸文庫)
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