絵本についてはさっぱりわからないのだが、告知ポスターに掲載されている絵のかわいらしさと独創性、そして繊細さと迫力の同居した筆遣いが気になったので、観てみた。入場料300円。やすいねえ。
幼児や小学生向けの絵本の作家としては大御所とのこと。無知で恥ずかしいねえ。1998年に鬼籍に入っている。代表作は「どんくまさんシリーズ」など。妻は小学1年生の教科書に掲載されている「くじらぐも」が、当時からすごく好きなのだ、と言っていた。ほか、名作の「ごんぎつね」や「てぶくろをかいに」なども手掛けている。とてもほのぼのとした世界観、魅せ場をしっかりつくった構成、そしてなによりもガッシュを使った技術力の高さ。色彩感覚もすごく素敵だと思う。特に画面構成力に感心していたのだが、グラフィックデザイナー出身とのこと。納得。童話的世界観にさして興味のないぼくでも、おもいきり楽しめた。それにしても「ごんぎつね」はあかん。泣いてしまう。
ほのぼのとはしているが、戦中は戦意昂揚のための作品を描いていたようだし、高度成長時代には図鑑のようなリアルタッチで乗り物の絵本も描いている。不思議な方だ。会場には育児中のママと子供が多かったけど、ぼく同様、心汚れたおっさんたちよ! 観て、何かを感じるべきだと思う。ぼくはここ数日ちょっとウツっぽかったけど、これを観て、これを観て、エネルギーを充填できたと思う。
▼このビジュアルに「うおっ!」と思って見に行った。
▼撮影OKだった作品の一部。
▼フォトスポットもつくってあった。うさぎ型の椅子は、作品に登場するもの。背面にはシッポがあります。こういう茶目っ気のあるデザインは好きだ。