わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「虫の音寒き」

「群像」2015年1月号掲載の連作短篇。おそらくは作者自身がモデルと思われる語り手の、今年十月の金沢訪問の時にふと耳についた蟋蟀たちの鳴き声の記憶が、さまざまな記憶を呼び起こしていく。しかし一方で、老齢ゆえの足のおぼつかなさを、そして妙な判断力の狂いまでも感じるようになる。身体、感覚、記憶の三者が、うまくかみあわなくなっていく。歳をとるとは、そういうことなのだろうか。

 

群像 2015年 01月号 [雑誌]

群像 2015年 01月号 [雑誌]

 

 

古井由吉の作品はこちら。最新作は『鐘の渡り』になるのかな。

 

 

鐘の渡り

鐘の渡り

 
鐘の渡り

鐘の渡り

 
半自叙伝

半自叙伝