わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

中上健次『熱風』

「岬」「枯木灘」「地の果て、至上の時」の主人公・秋幸の父であり「蠅の王」と呼ばれた悪徳材木商・浜村龍造をも取り込み、路地の住民たちをだますように土地の権利を奪っていった、いわば神話としての路地を崩壊させたのが、佐倉。路地がふたたび神話性を取り戻すキーになる可能性を持っているのが、オリエントの康の息子であるタケオ。そして、現実の小さな町としての路地と神話としての路地をつなぐミッシングリンクとなっているのが毒味男シゲル、という構図なのだろうけれど、毒味男は両方を完全に崩壊させる危うい存在でもある。うーむ…。路地神話の語り部だったオリュウノオバと、彼女の甥でありながらも路地神話を崩壊させる者として登場している「九階の怪人」という対比もあるな。

 

 

岬 (文春文庫 な 4-1)

岬 (文春文庫 な 4-1)

 

 

枯木灘 (河出文庫 102A)

枯木灘 (河出文庫 102A)

 

 

地の果て 至上の時 (講談社文芸文庫)

地の果て 至上の時 (講談社文芸文庫)

 

 

千年の愉楽 (河出文庫―BUNGEI Collection)

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P+D BOOKS 熱風

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中上健次全集〈13〉

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中上健次の作品はこちら。『岬』は特に好きな作品。