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わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・哲学・思想の読書日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉「その日暮らし」

 連作完結。病に壊れた体をなんとか動かしながら、いつものように散歩し、仕事し、疲れや眠気とうまく付き合う。それがタイトルの「その日暮らし」。ここ数年、いくつもの連作を重ねながら作者は「老い」を書きつづけている。歳をとるという事実をを受け入れるように、というよりは、客観的に観察しながら、記憶と重奏させるようにして、描く。その重なりの向こう側から、奇妙な生命力が、力とは言いにくいのだが、やはり力と呼ぶしかない何かが、ひょっこりと顔を出す。読者はそれを、丹念に拾い上げるようにして、読む。そんな小説でした。

 

 

新潮 2016年 10 月号 [雑誌]

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