わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

金井美恵子『カストロの尻』

「破船」。語り手である「私」の少女時代の、映画にまつわる記憶。というよりも、近くの映画館のフロアで見たものと実際に見た(らしい)映画の記憶が、丁寧に、しかしなぜか混濁しているような印象のなかで(一つの文がひたすら長い金井節だからこそそういう印象を受けるのかも)語られていく。混濁しているようなのに、視点はものすごくミクロ。執拗にディテールをほじくり返していく描写。懐かしむというよりも、淡々としていて、感情の起伏はほとんどない。

 

 

カストロの尻

カストロの尻

 

  

文章教室 (河出文庫―文芸コレクション)

文章教室 (河出文庫―文芸コレクション)

 

 

この人を見よ

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