わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

不眠/足癒

 花麦仲直り計画進行中のため、いまだ書斎で寝ている。いや、書斎ではなくて事務所部屋だ。左に事務用デスクとアーロンチェア、右に大型の本棚ふたつと巨大なカラーコピー・ファクス・プリンター複合機。その間にできた、まさにうなぎの寝床のような空間に、寝袋を置いて寝ている。足元には金曜日まで処分できない不燃ゴミが山になっている。ちゃんと和室に敷いた蒲団で寝たいが、花子の精神状態がもう少し落ち着かないと、たとえば夜中に突然さみしくなったときにニンゲンが誰も起きてくれないから、といった理由で激昂しかねないので花子だけを事務所部屋に寝かせることはできない。が、理由はそれだけではない。毎晩午前三時頃に起こされ、四時、五時まで延々と枕元で鳴かれているとたしかに睡眠時間は短くなるが、それでも猫かわいさが勝り、放っておくことができないから一緒に寝ている。
 その花子が、今日は午後からひたすら眠りつづけている。ここ数日つづいた引越のゴタゴタで彼女もどうやら睡眠不足らしいのだ。ぼくらの作業が眠りを妨げている。そして、新しく設置された本棚や机やコピー機を、クンクンと匂いを嗅いだり上に乗ったり下に入り込んだりして、しっかり確認するという重要な仕事があるのだ。猫とは決して暇な職業ではない。
 
 八時起床。午前中は掃除、アイロンがけ。カミサンは午後から義母といっしょに「セシオン杉並」での風間杜夫ひとり芝居を観に出かけてしまったのでヒマだ。疲れているので、荻窪の「Queensway」 http://www.raja.co.jp/salon/qw/ で足裏マッサージを受けることに。以前訪れたときは女性のリフレクソロジストだったが、今日はとくに指名をしなかったら小太りのオジサンが担当してくれた。女性より力の込め方がやや強いが、不快なレベルではなく、むしろ男の肉体をよく心得ているようで、痛さと心地よさの境界線をうまく行ったり来たりするような感覚の施術に好感がもてた。夏バテなのか夏風邪がいまだに尾を引いているのか、まだ頭痛がしていたが、店を出るときには痛みがすっかり引いていたから驚きだ。と、いいことばかり書いてしまったが男性リフレクソロジストに悪い点もある。ルックスだ。この店、女性はパリっと糊の利いた白い綿シャツと首に巻いたスカーフ、そして黒いパンツが制服である。あたりまえだがみんなおなじ服装、そしてリフレクソロジーに関心がある女性はみなおなじような雰囲気があるのだろうか、スタッフの見分けがまったくつかないという欠点があるが清潔感とオシャレ感のバランスが取れていてぼくは悪くないと思っているが、男性の制服は正直言ってひどい。今日担当してくれたスタッフ、おそらく歳は四十以上の中年である。その彼に、ピッタリした感じのクリーム色のブイネックのTシャツはちょっとキツイ。おまけに、首には革ひもと水晶でできた(チョーカーみたいな)ネックレス。このネックレスもどうやら制服の一部らしいのだ。Tシャツがポコリと突き出た腹を強調し、首元の脂肪をネックレスみたいなのが強調する。これでは癒される前に嫌悪感を感じてしまう人も少なくないのではないか。もちろん担当してくれたスタッフは悪くない。本社の制服担当者が悪いのだ。なぜ女性とおなじく白い綿シャツではダメなのだろう。
 
 夕食は今年初のサンマ。旬のものに引けをとらぬほど、しっかり脂が乗っていた。
 
 阿部和重グランド・フィナーレ」。あー、またドラッグですか。この作家の作品にはよく出てきますな。