わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

言葉の手垢

 七時起床。午前中から打ち合わせがあると、朝が慌ただしくなる。九時半には家を出なければならない。たとえば結露拭きなどを省略しさえすれば、多少の余裕は生まれるはずだ。だがそれができない。さぼることが嫌いな性分なのだ。いや、視点を変えれば日常の些事にばかり気を向けることで、本業のほうをさぼろうとしているともいえる。しかし結露を拭くという行為にも、実は仕事が隠されているからやはりさぼりではないのだろう。さて、結露拭きに隠れた仕事とは何か。ひょっとしたら、その体験がコピーなりほかの文筆なりに、何らかの形で活かせるのではないかということだ。もっとも、そんなことを言い出したらぼくは眠っているあいだも仕事をしていることになる。夢の中の体験もまた、文章の糧となる可能性に満ちているからだ。嘘から言葉は綴れない。虚飾を重ねれば重ねるほど、言葉は手垢だらけになってしまう。ぬぐったところで、見抜かれる。
 九時三十分、家を出る。ハラハラと粉雪が舞っている。屋根の上に積もった雪が、風で舞い散ったか。いや、一度溶けた雪が粉になるとは考えにくい。空を見上げる。朝のうちに広がっていた青空が、暗く光を閉ざそうか、それとも光のためにすき間くらいあけておこうか、と迷っているような厚さと広さの灰色の雲に覆われている。雪雲ではなさそうだが、あそこから雪が舞い落ちてきたのだ、と言われてしまえば、まあ信じなくもないぞ、といった色味だ。風花だろうか。遠い山の向こうで降った雪が、風に乗って東京までやってくる。
 道路、日陰がツルツル。気をつけなければ、スッテンコロリンの醜態を演じてしまいそうだ。
 十時三十分、霞が関のD社でプレゼン。終了後、霞が関ビルの「COFFEE MACHINE」でサンドイッチ、カフェオレで昼食。御徒町へ移動し、スタバで一時間半ほど仕事してから、十五時にT社にてプレゼン。十七時、帰社/帰宅。戻ってからは、某ITベンダーのリーフレット。スタバでまとめたアイデアを仕上げた。
 夜、ドラマ「西遊記」。うん、着実に進化しているんだなあ、撮影技術は。昨日の夏目雅子堺正章版と見比べると、痛感。旧作より熱血マンガ的で、勧善懲悪。やっぱり少年ジャンプの世界だよなあ。