九時起床。最高気温は十九度という予報だが、信じられぬくらい空は鈍い表情をしている。花冷えという言葉があるが、今日の天気は散り冷えとでも言おうか。
午後からカミサンと外出。荻窪のイタリアン「ドラマティコ」でパスタランチを済ませてから、竹橋にある「国立近代美術館」へ。大好きな画家のひとりである藤田嗣治の展覧会を観る。友人に、いっしょに美術館に行ってくれるひとがまったくいないことにいまさら気づいた。みんな、芸術には関心ないのかなあ。美しいものを美しいと感じ取り、素直に感想や意見を述べられる心と感性こそが、現代を豊かな未来に導いてくれるとぼくは信じているのだが。デヴィッド・シルヴィアンが弟のスティーブ・ジャンセンと結成した新ユニットであるnine horsesのアルバム「Snow Borne Sorrow」に収録されている曲の中に、「崩れ落ちるビルの姿もまた美しい」といった内容の詩がある。9.11そのものを歌ったものなのだろうが、これは厳しい批判も受けそうであるが、ある意味正しくもある。あの惨劇で多くの人命が失われた。だが、その悲しみは芸術というコンテクストに載せれば「美しい」という表現に変わる。美しい悲しさは、ベタではあるが必ずひとの心を動かすことができる。心が動けば、ほかの何かも変わるはずだ。
- アーティスト: Nine Horses,坂本龍一,Stina Nordenstam
- 出版社/メーカー: Samadhi Sound UK
- 発売日: 2006/01/31
- メディア: CD
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夕食はルミネのお総菜屋で買ったフライなど。
夜、テレビ東京「美の巨人たち」を観る。藤田嗣治「ライオンのいる構図」。まさに今日現物を観たばかり。構図シリーズは善悪の象徴だったとは。宗教観や信仰心が芸術家の創作に与えるエネルギーの大きさを改めて感じた。