やくざにボコられたのをきっかけに、若干二十歳、二つ目の落語家がボクシングのチャンピオンを目指す。そして本当に世界チャンピオンになっちまう。しかしチャンピオンベルトを手にした瞬間に、大切な師匠はガンで逝ってしまった。主人公はボクシングの道を捨て、落語家として再出発する決心をする――カンタンにはこんな物語。談四楼師匠がボクシング好きかは知らないけれど、立川流に籍を置く落語家であることを考えれば、こんなストーリーを発想するのは納得がいく。この作品が素晴らしいのは、落語家がボクシングを題材にしたエンターテイメント小説を書いたことではなく、その言語感覚が落語の範疇を超え、とんでもないレベルでリアリティをぼくら読者につきつけてくることだ。いや、感服しました談四楼師匠。
>立川キウイ殿
で、ほかはどの作品がオススメですか?