わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

遠く。

 七時起床。遠く晴れている空だ、と感じる。おかしな表現だが、そう感じるのだから仕方ない。遠くで晴れているのではない。遠くまで晴れているのではない。秋空の晴れた空が自分の頭上に拡がっているのに、自己中心的な捉え方をすれば秋空は自分の頭上から四方八方へ拡がっているのに、どこかよそよそしく、遠くから遠くへと拡がっているように見える。自分の存在もまた、遠い。自分自身のことなら、肉体も、精神もしっかり感じているのだが、秋空を眺めていると、ふとそれらが遠く感じることがある。我を忘れて、というのも違う。ただただ、すべてが遠くなる。それが案外心地よい。自分の顔の遠くのあたり(という表現もおかしいのだが)に、小さな、微笑みというのもはばかるくらいにわずかな笑みが浮かぶのを感じる。
 最近Keith Jarrettピアノ曲ばかり聴いているのは、その音色がどこか遠くに聴こえるからだろうか。
 某ペット用品会社企画、某不動産会社ネーミング、某教材会社雑誌広告。案件数は多いがせっぱ詰まっていない。仕事もまた秋空のように遠くなっているのか。それはちょっと困る。
 十七時三十分、新宿御苑前のB社で打ち合わせ。カミサンが11月に高円寺の「猫の額」さんで開く個展の案内ハガキを置いていった。
 十九時、帰社/帰宅。仕事は切り上げることにした。
 夜、「テレビチャンピオン」のデカ盛り王選手権を見る。出場選手は、もっと食べ物と作り手に感謝の気持ちを示してほしいと思った。大食い王選手権のときは、それが(彼らが感謝の言葉を口にしていなくても)感じられるんだけどなあ。
 風呂に入る前に、David Sylvian「Secrets of the Beehive」から二曲だけ聴いた。日記を書いている今は武満徹を聴いている。「Fantasma/Cantos -Works of Takemitsu/Stoltzman」。

Secrets of the Beehive (Dlx)

Secrets of the Beehive (Dlx)

Takemitsu

Takemitsu