淡々としたナチュラルな、でもときおりインテリジェンスを感じさせる文体で下町での人間模様を描いている。傑作『河岸忘日抄』を軽くした感じか。堀江敏幸は最近注目している作家のひとり。視点と語り口はどこか保坂和志に似てなくもないが、堀江のほうが主観的。見ているものを見えたままに描写するのが保坂で、わずかに見たものの色に染めるのが堀江。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/08/29
- メディア: 文庫
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