同タイトルの単行本より。茶色い毛のようなものが生えた暖かな獣道を主人公は歩いている。と思ったらびっしりと熊が敷き詰まっていた。という夢から作品ははじまる。読み進むにつれ、彼がノルマンディ地方にいること、友人を訪ねていること、フランスの書籍を日本に紹介する仕事をしていること、などが少しずつわかる。夢という非現実、空白とも言える部分から作品をはじめ、すこしずつ外枠から作品世界を形作っていく。内容に特異な点はないのだけれど、作品世界の構築手法がちょっと変わっているかな、と思った。さて、冒頭の夢をどこでどのように使うつもりなのか。楽しみ。
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/02/13
- メディア: 文庫
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