以前、読みはじめたのだけれどしばらく放置していた作品。つまらなかったのではなく、当時の精神状態が星野作品を受け付けなかっただけのこと。今なら大丈夫そうなので、再チャレンジ。
川崎に住んでいた日系ペルー人のヒヨは、暴走族のリンチにあっていたおなじ日系人の友人を報復するために襲った暴走族を、ついブチ殺してしまう。彼はガールフレンドのあなといっしょに、三島の先の荒れ地に住む、妄想癖?のある女性・糖子の家に逃げ込むことになる。
彼女の家へと向かうふたりを窓から眺める糖子のモノローグがおもしろかったので、引用。
ぎりぎりの極限ならではの幸せは、極限を維持できない限り惰性になっていくもの。そしてどんな極限も、続けば日常に変わってしまう。
よく言えば順応とか適応力とかってことだよな。
読んでいて、頭に浮かんだ単語を念のためメモ。国、血、肉体、性、霊。この内容なら、誰でも思い浮かべる単語だけどさ。
- 作者: 星野智幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/10/28
- メディア: 文庫
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