お金持ちどもを謎の力で痛めつけてしまう主人公。そして主との関係の回想。
お金持ち=資本家や権力、と考えると、町田作品をパンク小説と呼ぶのには抵抗を感じているのだが、それでもまあ、なんとなくこのシーンはパンク的かもしれない。町田さんというと珍妙な文体と世界観ばかりに目が行くが、その一方で社会批判的な態度がとても強い。近年の作品が現実世界を離れて江戸時代と現代が混在したようなヘンチクリンな世界を舞台にしているのは、社会批判に流れすぎるのをストップしているのか、それとも社会と距離を置くことで批判を客観的にしようとしているのか。
- 作者: 町田康
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