ようやくモーリスはベトナムに旅立つ。優奈は留守宅で生活をはじめることになるが、まだまだその描写ははじまりそうにない。とっちらかった記憶のほじくり返しがつづいてゆく。理由はわからんが、遺伝子情報を連想してしまった。
優奈が家を預かった直後の部分、気になったので引用。
優奈はソファーに腰を下ろし、ちょうど本を読んでいてページをめくった直後のように、まなざしをあらためて、あたりをみまわした。ランプもソファーも壁の絵も、さっきとは違って見えた。新しい住人に気に入られようとして、家が少しずつ変貌していく。優奈は息を詰めて、その変貌を見ていた。
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