父の晩年、神屋は毎日のように父から、大水が出た夢を観た、という話を聞く。
この話の中に田植えをする女たちが登場し、そこに鎮花祭が結びついてくる。死期を悟った父にとって、夢の中の花しずめの祭りは、波瀾万丈だった自身を鎮める儀式であったのかもしれない。だとすれば、夜明けに大水の夢について息子と語りあうのは、そこにいたる手順ということだろうか。
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/07/07
- メディア: 雑誌
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/01/26
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (28件) を見る