わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

東京国立近代美術館「河口龍夫展 言葉・時間・生命」

 世界との関連性や世界の認識、解釈についてひたすら考えつづけ、それを表現しつづけるベテラン現代美術家の個展。インスタレーションが中心。「自分とは何か」「自分はこれを伝えたいんだ」「こんな世界は間違っている」といった芸術家によくある「おれがおれが」の作品ではなく(最近、ぼくはこういうタイプの作品にちょっと飽きている)、「世界とは何か」「言葉とは何か」「時間とは何か」「生命とは何か」をひたすら追い求める河口さんの姿勢は芸術家であると同時に哲学者、現代思想家えもあると言える。
 いつもならここで気に入った作品を箇条書きするのだけれど、今日はそんなことはしない。なぜなら、すべての作品が気に入ったから。
 図録だけでなく、制作日記のようなものも購入したので、後日これの読書日記をつづることになるかも。
 12月13日まで。
↓時計の周囲にあるのは、鉛に包まれた植物のタネ。放射能の影響を受けず、秘めた生命力を未来まで残すことができる、ということ。ちょっとエコな感じがするけれど、これはエコではないと思う。地球への愛とかそんなことではなく、ただただ生命の神秘と時間の神秘にばかり関心は向かい、それがアートとして結実している。あくまで、河口さんがライフワーク的につづけている「時間」の表現。

河口龍夫関連の書籍はこちら
http://www.tatsuokawaguchi.com/
http://www.momat.go.jp/index.html