歴史を大きく変えた芸術家や政治家に森村自身が扮し、それを撮影するという変わった手法。芸術家や政治家をパロディ化するだけでなく、その信念や生き方に共感したり反発したり、あるいは時代背景のまったく異なる現代にその思想を持ち込み価値の再確認や再批判を行うことで、現代という時代にマッチしたメッセージとして発信する……ということだと思う。仮装の技法だけを見ていると笑ってしまいそうになるのだが、対象になりきった森村は美しく、そしてもちろん写真としても非常にクオリティが高い。そのに共感できるかどうかはともかくとして、メッセージは強烈な強さ、爆発力を内包している。別の言い方をすれば、芸術家による命がけのコント。そこには、笑いにならない笑いが満ちている。本人の、そして作品を鑑賞するすべてのニンゲンの。
残念だが写真流用はNGらしいので、URLを参照されたし。
http://www.syabi.com/details/morimura.html
ユリイカ2010年3月号 特集=森村泰昌 鎮魂という批評芸術
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「美しい」ってなんだろう?―美術のすすめ (よりみちパン!セ 26)
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