わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

田中慎弥「燃える家」(2)

「群像」12月号掲載の、連載2回目。白紙の読書感想文、死んだ鳩を観察した思い出、その鳩を観察した場所に家を建てて住んでいる同級生の女子、元売春婦で今は汚い身なりで街を徘徊していたが死んで蟹に身体を喰われていたババア、そのババアの孫にあたる主人公の友人……。さまざまな要素が錯綜するが、錯綜させっぱなしでなく、それぞれに丁寧な心理描写がなされている。その一つ一つが、ひねくれている。そしてそのひねくれ方が、高校生らしく青臭い。

群像 2010年 12月号 [雑誌]

群像 2010年 12月号 [雑誌]

実験

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