わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

町田康『人間小唄』

 屋台は失敗。作家の男はつぎに、暴力のなかの暴力、ともいうべき「暗殺」を行うよう命令されてしまう。
 暗殺の対象となる男が、安易なトレンドメーカー/感動メーカー的な人間として描かれ、おまけに痛烈に批判されている。ただひたすらに、薄っぺらい。ただし、その薄っぺらさの持つ伝染力の強さといったら。本作で一番共感した部分。まあ、読み方をちょっと変えると、流行を利用することで成功したアーティストに対するひがみ、と受け取れなくもないのだが。

人間小唄 (100周年書き下ろし)

人間小唄 (100周年書き下ろし)

町田康の作品はこちら。