まだ冒頭30ページ程度しか読めていないのだが、作者が自制しながら水俣について書いているのがよくわかる。
読者の大半は、水俣の惨劇を知っている。だがその惨劇の内容については、ほとんど無知だ。本作は、その無知な部分を埋めてくれる作品なのかもしれない。それが小説の役割や使命とは考えにくいし、そんな考えが逆に小説の表現を縛り付けてしまうこともあるのだけれど、おそらく本作は、そんな議論なんかクソだと思えるくらい、作品として上梓され多くの人(多くはないか…)に読まれるべき作品。
- 作者: 石牟礼道子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/01/08
- メディア: 単行本
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