「群像」3月号掲載。主人公は友人アキちゃんや隣人の女性との深夜の会話を交わしながら、過去の記憶をたどりはじめる。この、たどり方がすさまじい。いくつかの記憶があるときは並行して、あるときは相乗的に思い出され、展開されていく。まったくたいした話はしていないにもかかわらず、その構成の奇妙さと、それゆえに行間に生じた不気味なのか軽いのか深淵なのかさっぱりよくわからん雰囲気に、飲み込まれてしまった。つくづく、変な作品だと思う。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/02/07
- メディア: 雑誌
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