わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『蜩の声』

 「明後日になれば」。庭いじりする老人を見守る子ども。いつしか子どもは姿を消してしまうが、深夜に老人が厠にたつとき、後ろをついてくる小さな足音が……。
 座敷童を連想させる作品。もっとも、ここで出てくる子どもは金銭的幸福をもたらすようなものではなく、家に付いたご先祖の念のようなものなのかもしれない。さりげない無邪気さ、そして子孫を見守る包容力の同居した不思議な存在。

蜩の声

蜩の声

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