わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

円城塔「松ノ枝の記」読了

 書くとは? 自分とは? 主体とは? 認識とは? 歴史とは? 人類とは? ……といった文学的・哲学的定義が本作の作品世界では危なっかしく揺らぎまくっている。世界はよくわからない。書くということもまたよくわからない。わからないとは、先が見えないということだ。それでも、希望の光は射す。それに向かって進む以外に道はない。
 そんなことを考えてしまった。円城作品はその奇妙さばかりがクローズアップされているような気がするが、スタンダードな前向きさも持ち合わせていると思う。

群像 2012年 02月号 [雑誌]

群像 2012年 02月号 [雑誌]

円城塔の作品はこちら。『これはペンです』はスゴかった!!