書くとは? 自分とは? 主体とは? 認識とは? 歴史とは? 人類とは? ……といった文学的・哲学的定義が本作の作品世界では危なっかしく揺らぎまくっている。世界はよくわからない。書くということもまたよくわからない。わからないとは、先が見えないということだ。それでも、希望の光は射す。それに向かって進む以外に道はない。
そんなことを考えてしまった。円城作品はその奇妙さばかりがクローズアップされているような気がするが、スタンダードな前向きさも持ち合わせていると思う。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/01/07
- メディア: 雑誌
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