「群像」三月号掲載。読みかけていた綿矢りさの新作は挫折してしまった…。
塙吾良の考える老年期の人生計画、というよりは創作計画なのだろうか、そのコンセプト的な部分を、吾良の口調を再現するようにして語るコギー。この小説にはいろんな仕掛けがあるが、こういう部分は特におもしろい。文章としてのリアリティと、実際にそんな語り方はされないだろうという非リアリティが同居している。創作=フィクションであるとはいえ、吾良のモデルが伊丹十三であることを考えると、ゴシップ的な興味も湧いている。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/02/07
- メディア: 雑誌
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