わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

大江健三郎「晩年様式集」(13)

「群像」三月号掲載。読みかけていた綿矢りさの新作は挫折してしまった…。
 塙吾良の考える老年期の人生計画、というよりは創作計画なのだろうか、そのコンセプト的な部分を、吾良の口調を再現するようにして語るコギー。この小説にはいろんな仕掛けがあるが、こういう部分は特におもしろい。文章としてのリアリティと、実際にそんな語り方はされないだろうという非リアリティが同居している。創作=フィクションであるとはいえ、吾良のモデルが伊丹十三であることを考えると、ゴシップ的な興味も湧いている。

群像 2013年 03月号 [雑誌]

群像 2013年 03月号 [雑誌]

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