わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『雨の裾』

 
「虫の音寒き」。秋の終わり頃のコオロギの鳴く音を中心に、例によっていくつかの話が比較的直線的ではあるが、部分部分で微かにつながりあいながら、語られていく。季節の終わりを告げるように、しかし実際は交尾のために鳴くコオロギの声は作中で、いつしか語り手や作中で語れた人物たちの「老い」と重なり合っていく。
雨の裾

雨の裾

 

  

古井由吉の作品かこちら。