2015-06-28 古井由吉『雨の裾』 読書日記 小説 日本文学 「虫の音寒き」。秋の終わり頃のコオロギの鳴く音を中心に、例によっていくつかの話が比較的直線的ではあるが、部分部分で微かにつながりあいながら、語られていく。季節の終わりを告げるように、しかし実際は交尾のために鳴くコオロギの声は作中で、いつしか語り手や作中で語れた人物たちの「老い」と重なり合っていく。 雨の裾 作者: 古井由吉 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/06/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 古井由吉の作品かこちら。