2018-01-19 古井由吉「野の末」 読書日記 小説 日本文学 「群像」2018年2月号掲載。 秋から年末にかけての季節の移り変わりの中で、老作家はおなじく老いた人たちに、そして自分と同時代を生きる人たちに感心を向け、筆を想いのままに進めていく。戦中に記憶を失った孤児たちの老年、家族も思い出も失い孤独な状態で戦後の混乱期をなんとか生き抜いた彼らは、静かに、ふたたび孤独な状態へ戻ろうとしている。そこでふと、浮かび上がる欠落もあるのではないか…。読み進めるにつれ、静かに切なくなる。 群像 2018年 02 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/01/06 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る amzn.to