「群像」2018年11月号掲載の新連載評論。読み残してた…。
今回の章タイトルは「第一章 方法序説」。まだ数ページしか読んでいないが、今のところ、スペースノットブランクという演劇ユニットの『舞台らしき舞台されど舞台』の、およそ演劇らしくない実験的な演劇。そしてボルヘスの傑作エッセイ『永遠の歴史』。これらの作品の紹介から、「全体論と有限」という作品タイトル、そして章タイトルにある「方法」の意味が、なんとなく見えてくる。物語とは部分の集合体。そして主観的な時間のことであり、そこには方法、技術が満ちている。ところが『舞台らしき舞台されど舞台』は全体と部分の判別ができない構造になっていて、ボルヘスのエッセイは超越した時間である「永遠」について語っている。ボルヘスの作品自体、物語を超越した世界、と言えなくもない、かな…。
▼佐々木敦の作品はこちら。『新しい小説のために』はおもしろかった。