わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

松田青子「斧語り」

「群像」 2020年8月号掲載の短篇。この作家の作品を読むのは初めてだと思う。
 
 寺の住職だった祖父がしっかり手入れをして大切に使っていた斧を、祖父の遺言により譲り受けることになってしまった青年は、同棲する同性の恋人とベランダで古くなった家具を分解するためにその斧を使う。そして世界は新型コロナウイルスが蔓延し始め…。
主人公の青年の視点だけでなく、斧の視点からも語られているところが、短篇作品の世界をより深くしている。強さと無力さの混在するアンバランスな世界像を巧みに描いた良作。
 

 

群像 2020年 08 月号 [雑誌]

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  • 発売日: 2020/07/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

持続可能な魂の利用

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スタッキング可能 (河出文庫)

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