わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

プラド美術館展 スペインの誇り 巨匠たちの殿堂


 東京都美術館 http://www.tobikan.jp/ にて。ティツィアーノからゴヤまで、プラドから厳選された81点が並ぶ。17〜18世紀の作品が中心か。宗教画が大半を占めていたが、どれもが政治的理由からか美化されすぎていて、第三者の作意ばかりを感じてしまう。ルーベンスゴヤは比較的そういったしがらみから自由になっているようにも見えたが、実際のところはどうなのだろう。両者とも今回はじめて作品をナマで見た。ルーベンスといえば光と闇の対比、そして「フランダースの犬」でネロがなくなる間際に教会で見たあの作品を描いた画家。ネロになった気持ちで見たが、もう心残りはないや、という気分にはなれなかったのは、自分にはキリスト教の信心がないからか。画像をアップした「フォルトゥーナ(運命)」のほか、「ヒッポダメイア(デイダメイア)の略奪」という作品が気に入った。同時代の他の作品より対象物が活き活きとしているのは、どこもかしこもピントピッタリという感じで描かれた他の品より柔らかで、見せたい部分だけはしっかりと描かれ、他の部分はそこを引き立てる要素と捉えているような描き方だったからだろうか。ゴヤもそうだが、なんとなく印象派のタッチの萌芽のようなものを感じた。美術史的にはどう捉えられているのだろう。ぼくは美術史に関しては無知に近いので、よくわからん。