わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

「美の巨人たち」 神田日勝「馬」

 日照最後の作品は、後ろ脚のない農耕馬。後期、日照は物質文明を鋭く批判するようになるが、自分もその波に飲み込まれそうになっている。そのあやうさのなかでの、土への回帰。農耕馬を通じての自己確認。しかし日照は、馬に自己を完全に重ね合わせることができなくなっていた。そのもどかしさがテーマだったんじゃないかなあ