わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

深夜に騒ぐ/広告文士の憑依術

 三時ごろだったろうか。ふにゃんふにゃんという、聞きなれてはいるものの夜中に聞くと少々耳障りな声で目を覚ますと、例によって花子が枕のすぐそばに置いたワゴンの天板の上からこちらを見下ろしていた。すぐに起き上がり、どうした、と声をかけ、まだ早いから朝ゴハンはあげない、と断ってから、天板を飛び降り廊下のほうへ駆け出していくのをあとから追いかけ、洗面所で汲み立ての水が飲みたいというので満足いくまで飲ませ、そこで落ち着いたようなのでそのままほったらかしてふたたび、まだ自分の体温が残る寝床に潜り込んだ。目を閉じれば五分とたたずして眠ってしまうぼくは、そのあとのことはよく覚えてないのだが、和室でカミサンと眠る麦次郎が、ナァアアアン、と大きな声で鳴いたのだけは気づいた。朝になってカミサンに聞かされたのだが、どうやらこのとき、麦次郎は花子の気配に気づいて大騒ぎをしていたらしい。それだけならどうってことないのだけれど、麦次郎が騒いだおかげで、風呂敷を掛けられた鳥カゴで眠っていたぷちぷちが目を覚まし、おどろいて止まり木から落ちてバタバタバタと大騒ぎ。夜中の三時三十分ごろ、わが家は動物三匹(二匹と一羽)が揃いも揃って大騒ぎしたことになる。友人に猫を十数匹飼っている女性がいるが、一匹が騒いでそれが飛び火し家中猫パニックになったことはあるのだろうか。気になる。
 六時四十分起床。皆藤愛子の天気予報を見るのが日課になりつつある。が、別に彼女はぼくのタイプではない。
 某官公庁パンフなど。江原啓之美輪明宏が、スピリチュアル番組で「役者さんは霊媒体質が多い」とよく言っているが、コピーライターという職業も霊媒体質が多いのではないか。ぼくらにも当然、一個人として書きたい、主張したいという思いはあるが、それを前面に出してしまったら広告として成立しない。ぼくらはクライアントの魂を我が身に宿らせ、憑依状態でコピーを書かなければならぬからだ。しかし、完全に憑依されてはいけない。クライアントや商品を、外側から冷静に見る視点も必要。いや、むしろこっちのほうが大切。憑依と非憑依の間で書かれるもの、それがコピーというヤツの本質か。
 夜はTVKで「探偵ナイトスクープ」を観る。迷子インコは再会できてよかった。ポンポンおじさん、あのファッションで交通安全祈願の放浪をつづけているとは、いかしてる。ぜひ一度お目にかかりたい。最後のドウブツ小ネタで紹介していた猫が激しく反応する猫のモノマネ、ウチの猫は無反応だったなあ。