「老国道」読了。おおらかな農村の裏側に潜む戦争の記憶。偶然直面した他者の死という現実がそこに重なり、主人公と中国人観光ドライバーの乗るアウディの走りは、逃げるようになってゆく。
リービさんの作品、疎外感を感じて当然といった状況に身を置いたまま、という状況が多いような気がするが、本作といい「仮の水」といい、状況からの逃避逃走が試みられているように読める。ただし、どんなに逃げても心は重いまま。何ひとつ解決はしない。
- 作者: リービ英雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/08/08
- メディア: 単行本
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